愛知学泉大学管理栄養学科では、卒業後にめざす分野で求められる知識や技能を高める実践活動を行っています。医療の現場でサポートしたいという人は「疾病治療・重症化予防のための栄養学」、健康を維持するためのサポートをしたい人は「疾病予防のための栄養学」、食べることの大切さや楽しさを伝えたい人は「食育・食環境を整える栄養学」について、それぞれ実践的な活動を通して理解を深めます。今回は12月に大学・短大で行われた「学びの泉グランプリ」で発表した、疾病予防について学ぶ学生の活動についてご紹介します。
疾病予防の分野で活躍できる管理栄養士を目指す学生たち。今年度の実践活動の場は、岡崎中央総合公園のトレーニングルームでの栄養相談と西部地域福祉センター(オレンジカフェ)での認知症・フレイル予防の講座です。岡崎市では、男女ともに野菜摂取量が不足しており、要介護者数も年々増加傾向にあります。この現状を踏まえ、野菜摂取量の増加、認知症・フレイル予防を目標に、栄養相談とオレンジカフェでの活動を計画しました。
◆地域を元気にする栄養相談
岡崎中央総合公園トレーニングルームで実施した栄養相談では、Q&Aを事前に作成し、相談者に寄り添ったアドバイスを心がけました。問診表を導入することで相談はスムーズになりましたが、問診表の内容が相談者やライフステージに適合していないなどの問題点も発覚。改善を続け、作成した資料を活用しながら適切なアドバイスができるようになりました。 また、減塩を目的としたキーマカレーや、タンパク質摂取を目的とした鯖缶の冷や汁など、栄養に配慮したレシピ集を作成し、家庭で活用・継続してもらえるように工夫しました。
◆認知症予防教室で
西部地域福祉センター(オレンジカフェ)での講座では、栄養相談で得た経験や活用した資料を活かし、フレイル予防として認知症の方やその介護をされている方と運動しながら連想ゲームと講義を行いました。積極的にコミュニケーションを取り、楽しく参加できるようにサポートすることができました。反省点として運動しながら連想ゲームを行うことが難しく、参加された方が困ってしまっていたのでしりとりに変更する改善策を考えました。
◆活動を通して
この活動を通して、授業で学んだ知識を実際の栄養相談で活かすこと、相談者の状況を的確に把握し適切な栄養指導を行うことなど、貴重な体験をすることができました。一方で、自分自身の知識や経験不足を認識し、より深く学ぶ必要性や大学の授業で学んだことの重要性、大学での学びが社会とつながっていることを実感することができました。 地域の方からの「栄養相談をして良かった」「参考になった」「(管理栄養士は)良い仕事を選んだね」という言葉や交流を通して、管理栄養士の仕事のやりがいを感じ、将来へのモチベーションを高めることにつながりました。
最初は受け身だった学生が積極的に質問したり、しっかり説明できる様子や目立たなかった学生が活躍している姿を見て、学生たちの活動をサポートされた先生方は感動したと話します。先生たちは自身が楽しいと思える活動を意識されたそうです。その姿を見て学生たちも楽しそうに協力し、役割を分担しながら積極的に活動を進められていたと振り返ります。
「今回の活動での反省点や課題を踏まえ、さらに専門知識を深め、様々な状況に対応できる力を身につけていきたい。そして、地域の方々に寄り添い、健康をサポートできる管理栄養士になることを目指していきます」と話す学生の姿に頼もしさを感じました。
●栄養相談の様子は大学WEBサイトで紹介「健康ステーションを開設」
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