「ひごろも。」は、 愛知学泉大学ライフスタイル学科の体験型授業「スタジオ」から生まれたチームです。「着物を何気ない日常へ」をコンセプトに、たんすの中に眠っている、特別な日でもなかなか着ない着物の新しい着こなし方を提案。着物リメイク、小物制作、ワークショップなど、様々な取り組みを通して、着物の新たな魅力を発見し、多くの人に着物文化の楽しさを伝えます。今回は12月に大学・短大で行われた「学びの泉グランプリ」で発表された「ひごろも。」の活動をご紹介します。
◆「ひごろも。」の活動
主な活動は着物リメイク、着物生地を使った小物制作・販売、イベントでのワークショップ、ステージ発表でした。 着物リメイクでは、古くなった着物を普段着として着やすいようにリメイク。袖を外したり、丈を短くしたりと、着物本来の形を活かしつつ、現代のファッションにも合うようなデザインにしました。小物制作・販売では、リメイクで出たハギレを有効活用し、ポーチ、イヤリング、リボンなどのアクセサリーを制作・販売。ハギレを使ったフラワーボックスのワークショップは、子供でも簡単に作れるので、多くの方にハギレ活用の面白さを体験してもらうことができました。リメイクした着物を着て、ファッションショーを行った際は、構成の組み立て、ステージ上での動き、音楽、原稿の作成など非常に多くの準備が必要でした。
◆なぜ着物のリメイクをしようと思ったの?
日本の伝統衣装である着物は、着付けが難しかったり、着る機会が少なくなってきたりして、普段着として着る人が減っています。私たちは、美しい着物が着られなくなってしまうのはもったいないと感じ、着物を普段着として楽しめるように、リメイクを考えました。着物を特別な日の衣装としてだけでなく、もっと気軽に、日常的に楽しんでほしいという思いがあります。
◆活動で大変だったことは?
着物のリメイク作業では、裏地付きの着物を裁断する際に、表地と裏地がバラバラにならないようバランスを見ながら処理するのに苦労しました。また、夏休みに作業を進める予定でしたが、裁縫が得意なメンバーが作業できなくなるという問題が発生。しかし、チーム全員でデザインやリメイク方法を共有し、協力して乗り越えることができました。
さらに、イベント準備期間が短く、複数のイベントが重なったため時間管理にも苦労しました。また、中国からの留学生との言葉の壁にも直面しましたが、絵や写真を使ってコミュニケーションを取り合い、お互いの考えを伝えながら活動を進めました。「ひごろも。」のロゴは、その留学生がデザインしてくれたものです。
◆活動を通してどんな成果がありましたか?
イベントでのアンケートでは、多くの方に活動を共感していただき、私たちの活動を伝えることができたと感じています。お客様からは、「着物が余っていて困っていたけど、これなら私にもできそう」「自分の好きなように着物の丈を調整してリメイクできるのがいい」といった嬉しい言葉をいただきました。さらに、私たちの活動がエシカル消費の啓発に貢献していると評価していただき、「愛知エシカルパーク」というイベントにも呼んでいただきました。
また、活動を通じて私たちは様々な能力を身につけることができました。自分たちで考え、行動する力、計画を立てて実行する力、課題を見つけ解決策を考える力、そしてメンバーと協力して目標を達成する力などが挙げられます。コミュニケーション能力や裁縫、ミシンの技術も向上し、環境問題に関する知識や意識も高めることができました。
ライフスタイル学科3年次に行う「スタジオ」は、3つの領域(「ビジネス・地域活性」「空間・情報デザイン」「食品開発・マネジメント」)で身につけた知識や技能を活用して、新たな価値を創造していく「体験型授業」です。地域社会や企業の方々と一緒に課題を深く・広く考え、解決に向けて活動。試行錯誤しながら取り組み、小さな失敗や成功を繰り返しながらゴールをめざします。充実感、達成感を実感すると共に、将来の進路も明確になっていきます。「この活動で得た着物に関する知識や経験を生徒たちに伝え、日本の伝統文化や環境問題に興味を持ってもらいたい」と話す学生は教員を目指しています。スタジオでの実践的な学びを活かして様々な分野で活躍してくれることでしょう。
【今年度の活動は以下の通り】
◇ひごろも。 Instagram
◇スタジオB(食育、レシピ開発) Instagram
◇龍田スタジオ(農業、子ども食堂)
◇山田スタジオ(大学周辺グルメマップ)
◇スタジオSEED(染色、食育)
◇Taste of Okazaki(レシピ開発)
来年度はどんな活動が行われるか今から楽しみですね!ライフスタイル学科のXもぜひご覧ください!