昨年度、一般社団法人 雄勝花物語(宮城県石巻市)と本学園は連携協定を締結。今年度、愛知学泉短期大学生活デザイン総合学科が連携活動として、「ハーブの香りで、人のつながりを紡ぐ大作戦」と称し、雄勝花物語の「雄勝ローズファクトリーガーデン」を拠点に、同学科の6つのゼミでハーブを使った商品開発や、「雄勝花物語」の活動を地域に発信する活動をおこないました。今回は、12月に大学・短大で行われた「学びの泉グランプリ」で発表した大森ゼミの取り組みをご紹介します。

◆大森ゼミのテーマは「食を通して笑顔を届ける」

大森ゼミでは雄勝ローズファクトリーガーデンのハーブを使用した商品開発に取り組みました。そして、未来へつなげる持続可能な地域づくり、食を通して笑顔を届けることを最終目標に、防災減災の意識向上のみではなく、食料自給率の低さや社会の課題にも取り組むことにしました。雄勝のオリーブリーフは赤ワインに匹敵するポリフェノールが含まれていることが分かり、どの焼き菓子にもポリフェノール豊富な雄勝のオリーブリーフと岡崎市の玄米粉を使用。さらに岡崎市の障がい者施設で商品化するために試作と評価を行いました。ハーブを使用した新しいレシピをゼミ生1人1人が考え、アイデアを出し合いました。喜んでもらえるレシピ、ハーブを活かしたレシピ、食の課題につがるレシピを意識し、パウンドケーキ、カップケーキ、クッキー、パンなど、たくさんの焼き菓子を作りました。

◆開発は試行錯誤の連続

試作段階では、オリーブリーフの苦みや玄米粉の扱いにくさなどの問題点が見つかりました。これらの問題点を解決するため、こがしバターの風味を活かしたフィナンシェやオリーブリーフのパンなどを開発しました。パンには玄米粉に加えて強力粉を使用しました。 また、夏の東北研修では、ローズファクトリーガーデンの方と意見交換を行いました。そこでは、玄米粉のクッキーが輸送中に割れてしまうという問題や、新しいハーブの提案を受けるなど、多くの学びを得ることができました。

◆商品化、そして販売へ!

研修での学びを活かし、大学で再び試作を重ねた結果、岡崎市牧御堂町にあるはっぴーカフェにて、雄勝ローズファクトリーガーデンのオリーブリーフとマルベリー、岡崎市の米粉を使用したフィナンシェが商品化されました。大学祭では、学科全体で協力し、学生がデザインしたオリジナルロゴを入れたハーブの米粉クッキーや米粉フィナンシェ、サシェ、サウナハットなどを販売。「雄勝花物語」代表 徳水さまにも来校いただき、『震災前から続く街づくり』をテーマにした講演会も開催しました。商品開発や地域への広報活動を通して、食を通して笑顔を届けるという目標を達成することができ、奉仕の心を大切にしながら真心を込めて商品を作ることを学び、四大精神を実践し地域づくりに貢献することができました。この活動は中日新聞でも紹介され、商品を通じて地域に雄勝花物語の活動を広報することができました。

生活デザイン総合学科は多彩で豊富なカリキュラムが魅力です。その組み合わせは14万通り以上。「友達作りに不安を感じていたけど、ゼミの活動を通して、たくさんの友達ができた」「みんなで協力して何かを作り上げる経験を通して、達成感を感じることができた」「先生は頼りになる存在!安心して活動できた」と活動を振り返り話す発表した学生たち。卒業後もこの活動を思い出し、それぞれの道で頑張ってください!