学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第3章 拡張の道は広く - 後継者の覚悟 #4 (第120話)
公開日 2012/09/28
昭和50年から始めた創作活動10周年を記念して刊行された『潜在能力の開発をめざして』(昭和60年12月刊)昭和50年から始めた創作活動10周年を記念して刊行された『潜在能力の開発をめざして』(昭和60年12月刊)
 建学の精神を象徴するものは何か―。それは、学園歌にもある“永遠(とわ)の女(おみな)”であり、安城学園教育の理想像である。それは、“真心・努力・奉仕・感謝”の四大精神の実践を通して、だいが唱導したように、潜在能力を可能性の限界までに開発し、家庭と社会に還元する女性である。
 今それを建学の精神としてあらためて大きく、強く鼓吹(こすい)し、遵守していくこと、それが母の生き様を身近に深く脳裡に焼きつけている者としての務めだと、清毅は思ったのだった。
 清毅は、建学の精神を学園のバックボーンにするためにその浸透を図った。
 安城学園女子短期大学附属高等学校では、だい亡きあと、学園理事長の杉原博が学校長事務取扱いを兼務していたが、昭和42(1967)年10月、清毅が理事長とともに学校長に就任した。新校長として新たな歩みを始めるに際して、清毅は、

「学園創立の原点に帰ろう」

 と呼びかけた。
 昭和43(1968)年3月には、杉原博学長に代わって、清毅が大学学長になった。

「学園設立者の意志である建学の精神を、特に教育の面でどう具現化していくか、地方の大学として地方文化にいかに寄与していくかについて努力したい」

 寺部清毅学長は就任に当たり、こう語った。こうして入学式、卒業式、オリエンテーション等の学校行事や、さまざまな刊行物など機会あるごとに、建学の精神の鼓吹に努め、その周知徹底を図っていくことになった。

* * * * *

 清毅新理事長にとって、学園再構築の新たな計画は学園財政が窮迫しているさなかの苦難のスタートであったが、挑戦は着々と実を結んでいった。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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