学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第2章 刻苦の学園づくり - 学校資格を高め #6 (第71話)
公開日 2012/07/26
裁縫師範科の教育科模擬試験(昭和5年頃) 安城女子職業学校における入学志願状況は、安城町に実業補習学校が設置された頃から数年のうちに大きく様変わりしていた。
 町に高等女学校が出来たことで、かつて実業補習学校の時と同じように、町内からの入学数はまたまた大きく減少した。だが、入学生総数は反して増加したのである。それは町外の、碧海郡あるいはそれより遠い各地からの応募者が地元の入学生の目減りをカバーしたのだった。
 ここ数年のうちに小学校へ奉職した卒業生の活躍が次第に認められ始め、その卒業生の吹聴(ふいちょう)する“クチコミ情報”も信頼性を帯びて伝わるようになったこと、そして、学校も師範科を設けて教員養成を中心とする教育に力を入れ、“自立する実力ある職業婦人”を育てるという“職業学校”としての特色を打ち出していったからであった。そのため、師範科への編入も多く見られたのだった。

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 安城女子職業学校では、生徒たちの熱心な要望に応えて、ひたすら裁縫科正教員の資格を取得させることに努めた。
 大正11(1922)年には、師範科を裁縫師範科と改称して目的性をよりはっきり打ち出すとともに、指導も今まで以上に厳しくした。
 1年生終了で准教員の資格を取得し、2年生の卒業時で裁縫科正教員の検定が受けられるよう目指した。したがって2年生では、検定試験科目である裁縫(理論と実地)を主とした教科課程を組み、期末考査もつねに検定を意識した出題をして受験の訓練をした。卒業試験ははっきりと検定試験に準じた模擬テストの性格をもたせた。
 こうして、すべてにおいて“実戦”的な対応に努めていったが、その教導の成果は見事に現れる。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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