学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 社会人基礎力を学生に #4 (第14話)
公開日 2012/05/19
寺部曉理事長「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」―それは、具体的にいえば何か?という設問が起こる。

 それは3つの能力と12の能力要素から成り立っている。
 3つの能力とは、「アクション」〜前に踏み出す力、「シンキング」〜考え抜く力、「チームワーク」〜チームで働く力。そして、これらの能力は、それぞれに下位の能力要素から構成される。3つの各能力は、これらの能力要素を備えることによって身に付けることのできる力である。
 すなわち、「前に踏み出す力」は主体性・働きかけ力・実行力、「考え抜く」は課題発見力・計画力・創造力、「チームで働く力」は発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力―として設定されている。
 これらの能力要素からなる3つの能力が身に付いたとき、一歩前に踏み出して失敗しても粘り強く取り組み、疑問を持って考え抜き、多様な人々とともに目標に向けて協力する力量が備わるのだ。

* * * * *

 安城学園がこの「社会人基礎力」に着目したのは何故だろうか。
 寺部曉(あきら)理事長は言う。

「社会性だけでなく社会力を身に付けた人材を育成するためには、学校教育の中で従来力を入れてきた教科型学力の教育だけでは不十分。つまり、これらの教科型学力を活用して直面している現実の問題を解決するためには教科横断型学力の教育が不可欠である。
そこで、この教科横断型学力を鍛えるために、社会人基礎力に注目して、これからの社会の新しい教育モデルの開発をめざしている」

 寺部理事長は、教科型学力という表現でこれまでの教育の不完全さを指摘する。従来教室で学んでいた「基礎学力」「専門知識」に加え、これら教科型学力をうまく活用していくために「社会人基礎力」を結びつけることによって教科横断型学力を身に付けさせ、いま最も求められる人材の育成につなげたいと望むのである。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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