学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 産学連携で商品開発 #3 (第6話)
公開日 2012/05/10
「社会人基礎力育成・評価グランプリ2010」表彰式 弁当開発プロジェクトは、平成18(2006)年度から、ココストアとの産学連携で始まった。
 初年度は家政学専攻チームが若い女性をターゲットとした「プチ弁当」、2年目は管理栄養士専攻チームがその専門性を活かして、成人男性をターゲットとした栄養健康弁当「午後力弁当」、3年目は管理栄養士専攻チームがメタボリック症候群対策をコンセプトに、野菜の力をアピールした「野菜多弁当」と、相次いで開発し、ココストアで売り出した。
 そして4年目になる平成21(2009)年度は安城商工会議所との産学連携で地元安城の商店街にある惣菜店とパートナーシップを組んだのだ。
 これは、新たな試金石でもあった。客層はもちろん、商店街に生きる老舗ならではの味へのこだわり、製造にかける時間や手間、コスト面の配慮など、これまでのコンビニエンスストアとのコラボとはまた大きく異なる面がある。

「管理栄養という専門性をどこまで商店街のお弁当屋さんに取り入れてもらえるか」

 指導する安藤明美教授も懸念するところだった。しかし、安藤教授は、

「学生たちは相当頭を悩ませることになるでしょうが、それを自分たちで考え抜いていくことがこの活動の狙いです」

 と、その教育成果もしっかりと期待していた。
 その読みは確実だった。これら一連の弁当開発プロジェクトは中央の行政省庁にも高く評価されていたのだった。
 愛知学泉大学は、経済産業省が主催する「社会人基礎力育成・評価グランプリ」でココストアと連携する弁当開発事業を発表し、過去2年、準大賞(準グランプリ)(平成20年)、特別奨励賞(アクション部門)(平成21年)と受賞した。そして平成22(2010)年3月5日に行われた「グランプリ2010」の決勝大会では、この地元商店街の惣菜店との連携による弁当開発で特別奨励賞(アカデミック部門)を、また担当教員の安藤教授は優秀指導賞を受賞した。
 全国から53大学が参加する中、過去3回行われた決勝大会にすべて出場したのは愛知学泉大学だけであり、しかも3年連続受賞の栄誉は、たしかに誇らしく語られるものであった。
 この弁当開発は、平成22(2010)年10月には「ビシッと繊維弁当」(手作り惣菜玉木屋と連携)、「魚de良脂(さかなでよし)弁当」(おかずの松美屋と連携)が、平成24(2012)年2月には「丈山(じょうざん)の四季菜弁当」(JAあいち中央産直センター安城南部おかず工房と連携)、「南吉の味便り弁当」(おかずの松美屋と連携)が考案され、話題を呼んだ。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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